今月の主題 狭心症—各種治療手段の適応
一般的治療法
入院中の安静度
児玉 和久
1
,
佐藤 洋
1
1大阪警察病院・心臓センター
pp.1492-1494
発行日 1986年9月10日
Published Date 1986/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220516
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狭心症の病態および重症度は多岐に亘り,また個々の患者により異なるため,患者にとっての最適な安静度は様々であり,患者管理も入院絶対安静から外来通院許可まで広範に亘る.一般には,安静度決定のための絶対的公式というものは存在しないが,個々の患者の病態を正確に把握できれば,入院中の安静度もおのずから制限されてくる.
安静度決定前に詳細な問診聴取を行い,狭心症の病型の診断,重症度診断を行う必要がある.労作性狭心症か安静狭心症か,労作性狭心症であれば胸痛出現の閾値はどの程度か,冷汗,呼吸困難などの随伴症状はあるか,安静狭心症であれば,めまい,動悸,意識消失などの合併の有無が重要である.また安定狭心症か不安定狭心症であるのか,特に後者であれば,狭心痛の性状,胸痛の初発はいつか,頻度,胸痛の持続時間,誘因,出現時間帯,すでに治療を受けているものであれば,薬物に対する反応性について聴取する.以上の点に留意して個々の病態に則した安静度の設定に努めるべきである.
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