焦点 再び看護研究とは何かを問う
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看護研究最近の動向—過去10年間に掲載された"看護研究"誌上の研究報告を中心として
中西 睦子
1
1神奈川県立衛生短大
pp.1-11
発行日 1978年1月15日
Published Date 1978/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200538
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はじめに
看護研究に対して最近ますます関心が高まっていることは,年々厚みを増す看護学会集録によってもうなずけ,またそれのみならず,施設ごとに活発な看護研究会が行われているのをよく見聞する。こうしたすう勢は,すでに飯田らが日本看護学会の各分科会毎に演題を分析してまとめた一連の報告(これには昭和47〜49年までの3年間をみたもの1,2,3,4,5,6)と,昭和48〜49年までの3年間をみたもの7,8,9,10)とがある)の中に,一層具体的に示されている。これらの報告はいずれも日本看護学会が総合看護学会として正式に発足(昭和49年)するまでの移行期からはじめて,その発足後にかけての学会活動の推移を総括してまとめたものであり,そこには学会活動の評価の意図がうかがえる。
すでに述べたように,これらの報告は分科会ごとのまとめであるから,さらにそのデータをつき合わせていくなら,全体的な傾向を追うことができる。つき合わせが可能な項目によれば,昭和48年から49年にかけては演題数が倍増しており,研究の種類としては,調査研究と事例研究が大勢をしめていることがわかる。しかし各分科会にほぼ共通して指摘されていることは,記載の形式が年々必ずしも整ってきているとはいえないということであった。
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