発行日 2006年5月20日
Published Date 2006/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2006303282
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[目的]本研究の目的は,1982年から現在までの過去約20年間に報告された高齢者に関するがん看護研究の文献検討を行い,高齢者に関するがん看護研究の動向を明らかにし,今後の研究の課題を検討することである.[研究方法]「医学中央雑誌」を使用し,「高齢者」「老年者」「腫瘍」「がん」「看護」のキーワード検索を行い抽出された対象研究論文を7つの分析項目を含む要約用紙を用いて項目毎に内容を分析し検討した.さらに,主に看護学領域に焦点を当てている研究論文を抽出し,研究目的,研究デザインを含む研究方法,結果,考察,結論について検討した.[結果]上記のキーワード検索により80件の研究論文が抽出された.論文の報告件数を年代別にみると,1980年代にはわずかであったが,1990年以降増加を示している.看護学領域に焦点を当てた研究論文は20件のみであり,1990年以降から発表され,2000年以降に漸増傾向を示している.研究デザイン別では,事例研究が12件と多く,質的研究は2件,実態調査研究は1件,比較研究が4件,評価研究が1件であった.[考察・結論]以上から,今後,さまざまな側面に関する高齢がん看護研究の必要があり,とくに高齢がん体験者の特徴的な現象を明らかにし,生活の質の向上を目指した研究遂行の必要性が示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2006