焦点 患者の精神生活にどこまでかかわるか・3
研究
乳幼児期における家族の者との類似性に関する発達的検討
上田 礼子
1
,
前田 和子
1
,
大貫 正子
1
1東京大学医学部保健学科母子保健
pp.97-101
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200479
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I.はじめに
時代の変遷にともない,乳幼児の健康診査の内容は変化してきている。すべての子どもの心身の成長・発達を援助するという高度な目標達成のために,この仕事に参加する専門家はそれぞれの立場からの技術的な再検討も必要とされる。健診に訪れる対象者のもつ問題の把握から事後指導まで一貫した援助のあり方が検討されている。
このような前提からわれわれは健康診査に参加し,乳幼児の発育・発達に重大なかかわりあいをもつ家族,特に母親が子どもの養育過程においてどのような問題に直面するかを縦断的に調査してきている。その結果,子どもの1歳時,2歳時,3歳時の各時点において,母親のもつ問題の特徴が明らかにされ,同時に,母親達の中には,自分自身が意識していないので訴えとはならないが,専門的な立場からの助言を必要とする潜在的なニードをもつ者がいるので,保健指導にあたり十分留意する必要のあることを指摘してきた1)2)3)。
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