研究
慢性病患者の自己健康管理に関する研究—糖尿病外来患者の場合
森田 チヱ子
1
,
岡崎 節子
1
,
中村 美佐子
2
,
金光 俊子
2
1神奈川県立衛生短期大学
2神奈川県立成人病センター
pp.401-408
発行日 1974年10月15日
Published Date 1974/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200410
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I.序
慢性病患者の多くの場合その闘病生活が長期にわたるが,症状も比較的軽く,自身で自分の疾病の健康管理を行ない,日常生活の調整を図りながら外来治療を続け,家庭,社会生活にも適応していくことができる。近年,医療の発達,人口の老齢化,成人病の相対的増加によってこのタイプの患者がふえてきた。その典型的な代表例として糖尿病患者群があり,これらの人々の大半は,定期的に外来診療を受けながら自己健康管理を続けている。糖尿病患者が生涯にわたって病状の安定(コントロール)が,良好の状態を維持していくためには,患者個々の病気に対する知識,闘病意欲のほかに家庭・職場・地域の理解・協力が大きく影響することは周知のとおりである1)。又,長期にわたる継続的な患者管理を行なうために,第一線医療機関では糖尿病専門外来が設けられ,その診療にあたっている。小坂2)によると,病状の安定を得ている多くの患者は,3〜4週間に1回通院し,血糖検査などの必要な諸検査を受けている。又,糖代謝異常の高度な患者や,重篤な合併症のある患者,外来治療では十分良好なコントロールの得られない患者は入院の適応となるが,重篤な合併症を有してない患者の多くは,入院中の適切な治療によって再び病状の安定を得て,早晩外来治療に移行できるという。
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