研究
看護教育課程別にみた学生生活に対する意識と態度—TPI・CMI調査と学生生活調査
島内 節
1
,
森田 チヱ子
2
,
飯田 澄美子
2
1立教大学社会学研究科
2神奈川県立衛生短期大学
pp.409-420
発行日 1974年10月15日
Published Date 1974/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200411
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I.はじめに
学生生活において無断欠席,学習意欲の喪失,対人関係の不適応などさまざまな問題がみられる。例えば文部省の報告7)(1970年)によれば,近年大学生(短期大学生を含む)の精神神経系疾患の比率の増加や休・退学者の増加がみられ,疾病による休学のうち精神障害が27%,神経系疾患が10%を占めている。このような中で学生カウンセラーを置いて対処しようとしている大学や,精神健康調査を行ない学生の健康問題について検討している大学も次第に増加してきている。しかし同年齢で学生である看護学生に対しては,大学・短大・各種学校をみてもカウンセラーはおらず,健康調査さえほとんどなされていない現状である。看護学生は,さまざまな問題を持ちながら相談する相手も見出せず,又,教員をはじめ他の職員も学生がどのような問題を持ち,どのような精神健康状態であるかも知りえないまま突然問題が表面化して困惑したり,そのまま卒業を迎えてしまう場合も少なくないのではないかと考えられる。看護学生が,どのような健康状態で,どのような学生生活を送っているかの実態を正しく知ることが,それらの問題を明らかにし,早期になんらかの対策を立てる方向づけが得られるのではないか。更に,看護教育はさまざまな制度の中でなされており,それによる学生間の相違もあるのではないかと考えた。
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