研究
婦人科良性腫瘍患者入院時の看護—ニード調査の結果に基づく指導内容について
森 美智子
1
1日本赤十字武蔵野女子短期大学
pp.436-448
発行日 1974年1月15日
Published Date 1974/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200367
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅰ.はじめに
印象に残った事例であるが,入院数日で不眠・食欲不振に陥り,体重が3kg減少して,著しい不安状態を呈した患者がいた。原因は術後の性生活・その他の知識不足からくる過度な心配であった。どうすればこのようなケースを防げるか,本来病院に慣れると多少とも不安状態が落ち着くが,不安の性質によって環境の違いからますます不安が高まる事も考えられるので,入院時のオリエンテーションは単に場所への適応という最少限度の内容ではなく,本人の持つ不安緩和のための面接が必要であると考えられる。又,婦人科良性腫瘍疾患の特長から,手術の時期の選択性がある程度本人にまかせられいてる事も,患者から入院時医療関係者との面接を望むニードになっており,この点からも面接の必要性がある。
以上から,入院時の面接は知識不足からくる不安を解消し,納得のいった入院・手術であるように認識させ,又,人によっては気持の再確認の場とする事が望ましい。
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.