研究
看護婦―医師のチーム-ワークにおける基本的要件—看護婦の観点から
林 滋子
1
,
五十嵐 セツ
1
1東京大学医学部保健学科看護学教室
pp.449-459
発行日 1974年1月15日
Published Date 1974/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200368
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I.緒 言
今日ますます増大しつつある保健医療のニードにこたえるため,保健関係諸職種の専門分化が進められてきているが,そのなかで,患者に対し真に総合的保健サービスを提供するためには,患者ケアにかかわる諸職種が円滑なチーム-ワークを実現させていくことが不可欠である。なかでも特に医師と看護婦は,この保健医療チームにおいて主要な役割を果たす位置にある。医師と看護婦は,患者に最良のケアを提供することを起点として,それぞれの役割を明確にし,互いにこれを正しく理解し,また互いに協力していかなければならない。しかし,実状をみると,チーム-ワークに困難が多く,そのため本来の業務を十分に果たしえないとの不満が,特に看護婦からしばしば出されている。もし,今より医師-看護婦のチームーワークが円滑になれば,患者ケアを向上させることができるばかりでなく,現在のいわゆる看護婦の不足度をかなり減少させることができるとも考えられる。
では,患者ケアのための医師と看護婦のチーム-ワークを達成させるうえに要求される重要な事項,すなわち,両者のチーム-ワークにおける基本的要件は何であろうか。
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