看護理論の概念のより明確な理解のために

Toward a Clearer Understanding of the Concept of Nursing Theory

　この論文は、これから示すような意見の大部分を，かつてある時期に抱いていた者が，友好的な批判の精神で書いたものであり，ここに述べた批判は，それによって看護理論家たち間のの対話がもっと活発に，頻繁に行われるようにと願ってなされたものである。

　看護の世界では、"看護理論"，"看護の科学"，"看護実践理論"，"看護知識"などのことばは統語的syntacticallyにも語義的にも同等のものとして使われており，これらの用語間の正確な関係をみきわめようとする批判的試みはなされていないようである^注1)。しかし，ごくおおざっぱな検討でも，これらの用語の間には一種の階層的な関係があることがわかる。つまり"看護知識"は最も総括的な領域であり，これに続いて"看護の科学"や"看護的実践理論"を包括する"看護理論"がある。これらの関係を示すと次のようになる。