研究者とともに
「脳腫瘍患者の手術後看護」をめぐる検討
早川 勲
1
,
高橋 シュン
2
,
市原 貞子
3
,
萩野 はつ枝
4
,
原田 美紀代
4
,
外間 邦江
5
1都立墨東病院脳神経外科
2聖路加看護大学
3東大医学部付属高等看護学校
4関東逓信病院付属高等看護学院3年
5国立公衆衛生院衛生看護学部
pp.41-59
発行日 1968年1月25日
Published Date 1968/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200092
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司会者のことば
萩野さん,原田さんが課外時間を使って,自分たちにとっては未知である看護問題と取り組み,懸命に勉学され,それによって脳外科看護に興味をもてるようになったといわれていることは,有意義な経験をされたことと思う。ただ,患者の看護そのものを課題として研究をする場合,対象である患者を研究者が自分の目で見つめ,自分の耳を傾けて聞き,接するなかで,患者の理解を深めること,患者を知ることがまず必要と思われる。次にいろいろな側面からの理解の事実を根拠として,研究課題としている看護をよりよくするために考えていくこと,既存の科学的知識を応用し,検証しながらも,自分たちが確めえた新しい知識や技術を生み出していくこと,これはあたりまえのことであるが,この研究の例からも再検討を要し,再認識しなければならないことがわかる。研究問題の把握のしかた,研究の方法,内容の妥当性や表現のしかたについて問題となることや陥りやすい傾向は,ご出席の先生方から指摘していただき,指導を受けたとおりであり,これから学ぶ点が多くあると思う。なお,看護経過観察記録表はなかなか参考になると思うが,これは他の患者にも実際にためされ,その結果整ったものにして活用されることが期待される。研究の成果が看護の新しい知識となり,そのようにして知識が積み重ねられることは,看護学の体系化に近づくことであり,また看護に従事する私たち自身の啓蒙になり,教育になると思う(外間邦江)。
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