特集 質的研究を学び合う JRC─NQRの実践
『看護研究』誌にみる日本の質的研究の変遷―過去約40年間におけるレビュー
住谷 ゆかり
1
1日本赤十字看護大学
キーワード:
質的研究
,
看護研究
,
変遷
Keyword:
質的研究
,
看護研究
,
変遷
pp.227-231
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100648
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
2008年,JRC─NQRの第1回は,「質的研究をめぐる学問の系譜」というテーマで,Denzin & Lincoln(2000/2006)の文献を参考に,質的研究の歴史的変遷や研究方法としての位置づけについて活発なディスカッションがなされた。2009年の第15回では,野島良子先生の『看護科学のパラダイム転換』(2009)の抄読会により,米国の看護学において,質的研究が登場し発展した経緯について学んだ。質的研究におけるこれらの動向を踏まえ,2010年の第28回で,「日本における質的研究の変遷」というテーマが設けられた。
今回,「日本における質的研究の変遷」について考えるにあたり,本誌『看護研究』の動向に焦点を当ててまとめ直すことを考えた。本誌は,1968年の創刊より戦後の看護界において看護研究をリードし,指導していく役割を担ってきた雑誌である。吉武(1992)は,「日本における看護研究のあゆみ」の中で,1968年が日本の看護研究の創生期であると述べている(p.8)。看護研究の創生期と同時期に創刊された『看護研究』誌の歩みを振り返りながら,看護研究における質的研究の趨勢について探っていきたい。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.