連載 Words, words, words.─学際的なダイアローグをめざして・words 2
普遍と個 universal vs. individual
江藤 裕之
1
1東北大学大学院国際文化研究科
pp.194-199
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100639
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前号から始まったこの連載のねらいは,研究や思索について,鍵となることばを枕にしながら,筆者が日頃考えていることを書き綴ってみようというものである。それが,できれば,本誌読者の皆さんにとって研究を考えていく上でのささやかなヒントとなればと願っている。
とはいってみたものの,これも前号に書いたことだが,筆者は看護研究者でもなければ医療関係者でもない。数年間ある看護大学に勤務していたことが─それも英語教員としてであるが─看護とのわずかな接点である。その関係で,看護の研究や教育についてほんの少しばかり垣間見てきたに過ぎない。「看護研究について語ることなどできるのか」というお叱りの声が聞こえてきそうである。もちろん,そうしたことを十分に承知した上で,異なる専門領域にいる者の目から看護研究を見てみたい。そこには違いもあれば,また共通する問題や悩みも見えてくるだろう。
今回は,前号で扱った「看護研究の学際性」を敷衍する形で,そこでいい足りなかったことを述べてみる。少し抽象的ないい方になるが,看護研究における「普遍」と「個(個別)」というテーマで考えてみたい。
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