連載 看護研究の基礎 意義ある研究のためのヒント・第8回
インタビューデータの収集―A Guide to Interview
坂下 玲子
1
1兵庫県立大学看護学部
pp.200-206
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100640
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アンケート(質問票)は看護研究においてよく用いられるデータ収集法であり,前回述べたようによく吟味されず,安易に用いられる傾向がある。しかし,現象がつかめていない場合はもちろん,仮説が明確に立てられない多くの場合,インタビューを行なうほうが,はるかに多くの有益な情報や示唆が得られる。研究者は象牙の塔のなかで考えるが,real worldを生きる人々ははるかに豊かで多様な,研究者たちが思いもよらない発想のなかにある。それを引き出すのにインタビューという方法は最も適している。インタビューというデータ収集法は,質問票を作成するときの予備調査など簡単なものから,深い意味を探る本格的なもの(in-depth interview)まで,守備範囲は広い。
質的研究ではインタビューのデータが用いられることが多いので,よい質的研究には,”リッチなデータ”は欠かせない。「何を語ってもらえるか」は,研究の質を左右してしまう。私は質的研究のエキスパートではないのでこのテーマを書くのは適任ではないと思うのだが,インタビューに関しては苦労してきたので,今回は皆さんと共に考えてみたいと思う。誌面の関係もあり,インタビューの具体的な技法に関しては,成書(Weiss, 1955;Seidman, 1998;小池,2000;桜井,2002など)を,参考にしてほしい。
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