Editorial
普遍的な愛の形
松村 真司
1
1松村医院
pp.775
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101788
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別にあらためてここで書くことでもないが,高齢化社会である.当院に外来通院中の人に,80歳台,90歳台の人など珍しくもない.70歳台の人に至っては,高齢者と呼ぶのもおこがましいくらいである.とにかく,一定年齢以上の人々の絶対数が以前より増えているのだ.必然的に,認知症の人も多くなる.認知症は,もはや感冒や高血圧などと同様の日常病である.専門だとか専門ではないとかいう問題ではなく,今やその診療は臨床医である以上,避けては通れない.
認知症には早期診断,早期介入が重要だと言われている.地域の情報や,家族の情報などに精通しているプライマリ・ケア医は,診断の手がかりになる情報を本人以外の周辺からさまざまな経路を通じて入手できるという有利な面もある.また,以前から通院している患者であれば,わずかな変化に気がつくこともでき,早期診断に結びつけることも可能だと言われている.ただし,どんな疾患でもそうだが,早期診断は言われているほど簡単ではない.恥ずかしながら,往診に行ってみて「こんなに認知症が進んでいたのか!」とはじめて気がつくこともある.
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