連載 看護研究の基礎 意義ある研究のためのヒント・第5回
概念枠組み・サブストラクション―Conceptual Framework and Substruction
坂下 玲子
1
1兵庫県立大学看護学部
pp.620-626
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100587
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
看護研究は人をとりまく多様な現象を扱うので,どのような視点で現象を捉え,研究しようとしているのか,「理論や概念枠組みという羅針盤を頼りに進まないと遭難する危険性がある」(南,2008)。「理論」「概念」という言葉を聞いただけで,「もうダメ」と思う人も多いかもしれない。かつて私もそうだった。しかし,理論や概念枠組みといった「羅針盤」をもつことで,ずっと効率よく研究をデザインすることができ,Research Questionを解くのに必要十分な調査項目を検討できるようになった。もちろん,「それは何か?」が明らかにされていない,つまり現象がよくわかっていない段階での研究では,枠組みを設定できないが,量的研究を考える場合に概念枠組みを考えることは有効であり,介入研究を考える場合には不可欠である。確かにその思考パターンが身につくまでには時間がかかる。しかし,ここはぐっと我慢して,概念枠組みについて考える努力をしてほしい。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.