焦点 看護学研究発展の軌跡─研究方法論に着眼して
母性看護学領域に根ざした研究方法論の探究
森 恵美
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1千葉大学大学院看護学研究科母性看護学教育研究分野
キーワード:
母性看護学
,
研究方法論
,
看護介入研究
Keyword:
母性看護学
,
研究方法論
,
看護介入研究
pp.511-519
発行日 2011年8月15日
Published Date 2011/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100565
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千葉大学大学院における取り組み
1995(平成7)年に,千葉大学大学院看護学研究科看護学専攻は博士後期課程が開設され,博士前期・後期の区分制の博士課程となった。それまで,博士前期課程でも母性看護学領域における看護実践方法の開発研究を行なっていたが,この博士課程の開設により,博士前期課程において大学院生は研究方法を学び母性看護を必要とする対象者について質的に明らかにする対象論の研究を行ない,博士後期課程の大学院生は母性看護学領域の新たな看護実践方法の開発研究を行ない,独立した看護学研究者となることが到達目標となった。
本大学院看護学専攻の目標は,「前期課程では,研究者としての基礎的能力を育て,後期課程では,看護学分野の調査研究が独立して実施できかつ知識の蓄積・拡大・精選・伝達等に貢献できる能力を養う」となっている。2000年に教授に昇任してから私は,研究指導を担当する後期課程の大学院生について,この本大学院看護学専攻の目標にしたがい,母性看護学領域の看護専門職,特に助産師の行なう援助技術,看護実践方法の発展に直結した研究課題を重要視した研究論文を推進している。本稿では,博士後期課程の大学院生とともに母性看護学領域において,私がどのような考えに基づいて,どのような研究方法論を用いて現場に直結した看護実践方法を開発してきたのかについて述べることにする。
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