焦点 慢性の病いにおける他者への「言いづらさ」─ライフストーリーインタビューは何を描き出すか
7つのライフストーリー
7.クローン病のGさんのライフストーリー
田中 結華
1
1大阪府立大学看護学部
キーワード:
クローン病
,
言いづらさ
,
ライフストーリー
Keyword:
クローン病
,
言いづらさ
,
ライフストーリー
pp.293-297
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100529
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はじめに
クローン病は,10~20歳代の若い世代で発症することが多く,寛解と再燃を繰り返し,生活の質を著しく低下させる。就職し,社会人としての第一歩を踏み出した語り手のGさんは,突然の発病に人生が大きく変わってしまった。しかし,他者からみて非常にわかりづらい症状をもつこの病いは,語り手にとっても他者への伝えにくさ,言いづらさを包摂していた。
本稿では,クローン病とともに生活するGさんの語りの一部を紹介する。インタビュー時期は2007(平成19)年11月で,約110分のインタビューであった。Gさんの年齢は30歳代,父母と姉がいる(なお,語りのなかのカッコ内は筆者の言葉や補足を示す)。
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