増刊号 術前画像の読み解きガイド—的確な術式選択と解剖把握のために
Ⅲ 小腸・大腸
良性疾患
クローン病
品川 貴秀
1
,
野澤 宏彰
1
,
石原 聡一郎
1
Takahide SHINAGAWA
1
1東京大学腫瘍外科
キーワード:
クローン病
,
画像診断
,
手術所見
Keyword:
クローン病
,
画像診断
,
手術所見
pp.130-134
発行日 2022年10月22日
Published Date 2022/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213897
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クローン病(Crohn's disease:CD)は慢性の経過で小腸や大腸を中心とした消化管に狭窄や潰瘍,瘻孔形成など様々な全層性肉芽腫性変化をきたす炎症性腸疾患の1つである.CDの診断は本邦の診断基準・治療指針にもあるように,消化管病変の画像診断による形態学的評価がきわめて重要である1).その主要所見である腸間膜付着側に多発する縦走潰瘍や敷石像のほか,不整形・類円形潰瘍・アフタなどが区域性・非連続性に認められるのが特徴的である.さらに痔瘻などの肛門病変や胃・十二指腸病変も特徴的である.モントリオール分類では年齢(Age)(A1:<16歳,A2:17〜40歳,A3:>40歳),病変部位(Location)(Ll:小腸,L2:大腸,L3:小腸・大腸,L4:上部消化管),疾患パターン(Behaviour)(B1:合併症を伴わない炎症,B2:狭窄,B3:瘻孔,B3p:痔瘻)で分類し,評価される2).本稿では,CDの手術症例における代表的な術前画像を紹介し,術式決定のための画像診断法を解説するとともに,実際の手術所見と対比することで手術において注意すべき臨床所見などを解説する.
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