焦点 看護にSOCをどう活用するのか
【研究実践例から考える】看護師のSOCと職場のあり方―いきいきとした看護師を支える職場要因の検討
竹内 朋子
1
,
戸ヶ里 泰典
2
,
山崎 喜比古
3
1東京大学大学院医学系研究科健康社会学分野博士課程
2山口大学大学院医学系研究科環境保健医学分野
3東京大学大学院医学系研究科健康社会学分野
キーワード:
看護師
,
職場
,
SOC
,
sense of coherence
Keyword:
看護師
,
職場
,
SOC
,
sense of coherence
pp.517-526
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100402
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はじめに
看護師を対象にした全国調査によると(日本看護協会,2003),今日の看護師は働き方や職場を選ぶ上で「家庭生活と両立できること」を最も重視している。同時に,看護師の離職理由の上位3位は「結婚」「妊娠・出産」「育児」という女性のライフイベントで占められている。専門職であり,なおかつヒューマンサービスの一種である看護職は職務遂行のための心身の消耗が大きく,仕事と家庭生活の両立が容易でない職業の1つであることが考えられる。
しかし,このようなストレスフルな職業特性にもかかわらず,家庭生活と両立させながら就労を継続できている多くの看護師たちがいる。彼女たちが「看護師かつ母親/妻」であり続けることのできる背景には一体何があるのか,換言すれば,彼女たちが看護師として「いきいきと働き続けること」ができるためには,どのような職場が望ましいのか,sense of coherence(SOC)の概念のもとに考えてみたい。
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