焦点 看護にSOCをどう活用するのか
SOCスケールとその概要―SOCスケールの種類と内容・使用上の注意点・課題
戸ヶ里 泰典
1
,
山崎 喜比古
2
1山口大学大学院医学系研究科環境保健医学分野
2東京大学大学院医学系研究科健康社会学分野
キーワード:
SOC
,
sense of coherence
,
scale development
,
ファセットアプローチ
Keyword:
SOC
,
sense of coherence
,
scale development
,
ファセットアプローチ
pp.505-516
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100401
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はじめに
どのような実証研究を行なう際にも,「サンプリング方法」や「分析方法」とならんで「測定方法」は必須の事項である。ここでは,SOC(sense of coherence)を扱った研究を行なう上ではSOCをどのように測っていけばよいのだろうか,という点について記していきたい。
SOC自体は,別稿・山崎論文(本号,pp.479-490)でみてきたように,その人の生活世界への見方・向き合い方なのであって,いいかえればその人の心の内にある特性,あるいは志向性といえる。看護学領域も含む社会科学系の研究では註1),こうした目に見えず,物質でもない潜在的なものを測定する際には,心理測定方法論における心理尺度測定法を用いることが最も適しているといわれている(Devellis,2003)。SOCについてもそのような形で,定義や理論がAntonovskyによって提唱されて以降,SOCを測定するための心理尺度が開発され,測定が行なわれるようになった。
そこで本稿では,これまでに開発されてきたさまざまなSOCを測定するための心理尺度(以降SOCスケールと呼ぶ)について紹介し,その使用方法や使用上の注意点,そして今後の課題について述べていきたい。
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