焦点 translational researchとしての小児の疼痛緩和方法の開発
【痛みアセスメントツールと非薬理学的援助方法の導入による効果の検証と分析】
2.子どもと親の痛み緩和ケアへの評価および看護師の意識・態度・ケアの変化
松岡 真里
1,2
,
加藤 真知子
3
,
鎌田 真紀
3
1名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻健康発達看護学博士課程後期
2前千葉県こども病院看護部
3千葉県こども病院看護部
キーワード:
痛み緩和ケア
,
子どもと家族の評価
,
看護師の意識と態度
,
痛みアセスメントツール
Keyword:
痛み緩和ケア
,
子どもと家族の評価
,
看護師の意識と態度
,
痛みアセスメントツール
pp.409-417
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100391
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はじめに
近年,手術により生じる痛みに対して,術前,中,後を通した痛み緩和ケアが必要であり,鎮痛剤は術後の痛みが出現する前に投与すべきという考え方が定着しつつあるといわれている(遠山,2006;Royal College of Peadiatrics and Child Health,1997/片田監訳,2000)。
千葉県こども病院(以下,当院)では2004(平成16)年から,外科系病棟に勤務しながら子どもの痛み緩和ケアに高い関心をもつ看護師が中心となって,ケアの振り返りや痛みに関する勉強会など自主的な取り組みを始めており,筆者もその活動に参加していた。
そのようななか,2005(平成17)年,科学研究費補助金基盤研究(A)「研究成果を実践に根付かせるための専門看護師を活用した臨床─研究連携システムの構築─小児における痛みアセスメントツールを用いたケア導入と効果の検証を通して」(研究代表者:片田範子)(以下,痛み班研究)に,小児看護専門看護師の筆者が共同研究者として参加することをきっかけに,自主的な活動から,当院看護局公認の「子どもの痛みワーキング活動」(以下,WG)へと発展し,継続した活動を行なってきた。
今回,当院の外科系病棟に,痛みアセスメントツールを導入し,手術後の子どもの痛みの変化,子どもと家族の痛み緩和ケアへの満足度,およびケアを行なう看護師自身の変化について検討を行なった。本稿では,痛みアセスメントツールを臨床に導入したことによる子どもや家族,看護師への効果について示唆を得たので報告する。
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