焦点 translational researchとしての小児の疼痛緩和方法の開発
【痛みアセスメントツールと非薬理学的援助方法の導入による効果の検証と分析】
3.子どもとその家族中心の疼痛緩和ケアをめざして
笹木 忍
1
1広島大学病院看護部
キーワード:
疼痛緩和ケア
,
子ども中心
,
看護師の支援
,
ケアの変化
,
専門看護師
,
CNS
Keyword:
疼痛緩和ケア
,
子ども中心
,
看護師の支援
,
ケアの変化
,
専門看護師
,
CNS
pp.419-424
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100392
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はじめに
近年,がんの痛み治療を主とする緩和ケアはめまぐるしい発展を遂げようとしている。小児領域においても,緩和ケアへの取り組みがなされており,小児がんの子どもへの痛み緩和ケアは,子どもの生活の質を保障する上で重要であるといえる。
疼痛緩和ケアは,痛みを経験している子どもにその症状を聞き,的確にアセスメントし,症状緩和につなげることが重要である。しかし,がん性疼痛のある子どもが痛いと訴えるとき,私たち看護師は「どうにかしたい」と思いながら,その介入方法を知らず,何もできないまま無力感を感じる場面が多くある。
今回の研究「研究成果を実践に根付かせるための専門看護師を活用した臨床─研究連携システムの構築─小児における痛みアセスメントツールを用いたケア導入と効果の検証を通して」(研究代表者:片田範子)によって導入した「痛みアセスメントツール」は,子どもとその家族と一緒に疼痛緩和ケアを行なっていくことを1つの目的としており,疼痛緩和ケアの知識を用い,上の目的に沿った内容が盛り込まれている。このことは,子どもにとってよりよい疼痛緩和ケアにつながると考える。またツール導入は,ケアを提供している看護師が,ツールを用いることで根拠をもちながら行なったケアの効果を実感し,ケアを行なう充実感をもって実践できる機会になると考えている。
本稿では,「痛みアセスメントツール」導入に取り組んだことで明らかとなったその効果と,そこから得られた疼痛緩和ケアへの示唆について報告する。
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