焦点 質的研究方法を用いた看護学の学位論文評価基準の作成―大学院博士課程における質的研究方法の教育
なぜこの研究が必要だったのか―看護学をauthorizeする存在としての学位論文
萱間 真美
1
1聖路加看護大学
キーワード:
質的研究方法
,
パラダイム
,
学位審査
Keyword:
質的研究方法
,
パラダイム
,
学位審査
pp.363-367
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100386
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看護学の学位論文
学位論文とは,博士の学位を得るために書かれる博士論文である。学位論文がその他の論文と異なるのは,学位を授与するにふさわしいものであるかどうかという学位審査を経て,多くの場合,審査委員の指摘によって修正が加えられるという経過を含む点である。学位を得るということは,論文を提出した大学院で選ばれた審査委員によって,その論文に学位という権威が与えられる,つまり権威づけ(authorize)がなされるということなのである。
このauthorizeには,学問領域における研究の意義や,発見したことの新規性や重要性という学術的な評価がもちろん不可欠である。しかし同時に,ときには学術的な評価よりも,政治的な要素が強調されることもある。それは今日,看護学の大学院教育が提供されている背景を反映しているし,また看護学の学問としての特徴を示すものでもある。
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