焦点 看護研究におけるアフォーダンスの可能性
アフォーダンスとは何か―その基本的な考え方と意義
三嶋 博之
1
1早稲田大学人間科学学術院
キーワード:
アフォーダンス
,
生態心理学
,
知覚システム
Keyword:
アフォーダンス
,
生態心理学
,
知覚システム
pp.511-518
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100342
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私たちは,移動する,何かを操作する,誰かに働きかけるといった日常的な行為を,刻々と変化する状況に合わせて行なうことができる。間違いを含みつつも,しかしそれをなんとか修正しながら,変化する環境に対して私たちが適応的に行動できるのは,意識的にせよ無意識的にせよ,環境をモニターする知覚能力によって,私たちの行動が常に支えられているからである。
それでは,私たち人間や動物は,行為するために「何を」知覚しているのか。これについては立場によっていくつかの説があるが,本稿では生態心理学の立場から,「人間や動物はアフォーダンスを知覚している」と主張したい(Gibson,1979/1985)。以降,「アフォーダンス」の理論について,それがどのようなものであり,そのように考えることによって何がもたらされるのかについて概観しよう。
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