特集 助産師のためのLGBTQ+/SOGI入門
【実践報告】
—『ボヘミアン・ラプソディ』を7回観た—助産師のアライ・ライフ
棚木 めぐみ
1,2
1マザリーズ助産院
2調布LGBT&アライの会
pp.445-449
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202341
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私とLGBTQ+文化との関わり
私が人生で初めて知った,海外のゲイのセレブリティは,1970年代英国のロックバンド・Queenのヴォーカリストで永遠のスーパースター,フレディ・マーキュリーです。彼がゲイであることは,唯一無二のそのカリスマ性と相まって,子ども時代の私に好印象しか与えませんでした。
2018年,フレディの伝記的映画『ボヘミアン・ラプソティ』の劇場公開時,私は自分が彼の没年齢の45歳をとっくに超えていることに驚き,思いました。「タイムマシンがあったら当時のフレディに会いに行き,AIDSの知識や,安全なセックスの大切さについて伝えるのに。そうしたら今もなお,ブライアンやロジャーと同じように年を重ねたフレディの歌声が聞けたかもしれないのに」と。とめどなくこみあげる,切なさと涙を吹き飛ばすかのように,知らないおばちゃんたちとフレディ作詞・作曲の名曲『We Will Rock You』を熱唱しました。そう,劇場に7回足を運んだうち,初回を除く6回が,手拍子したり歌ったり,と大騒ぎしながら鑑賞するスタイルの,「応援上映」だったのです。伝説のコンサート「ライブエイド」に,劇場内のフィクション上ではありましたが33年後,ついに私は参加したのです!
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