特集 助産師のためのLGBTQ+/SOGI入門
【実践報告】
LGBTQ+妊産婦への助産ケア
山本 智美
1
,
渡瀬 美祈
2
1社会福祉法人聖母会聖母病院看護部
2社会福祉法人聖母会聖母病院産婦人科病棟
pp.440-444
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202340
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聖母病院(以下,当院)は,1925年に「博愛と奉仕,科学的治療と精神的癒しを求める人々へ与えること」を目的に設立された,都内にあるカトリックの総合病院であり,無料低額診療制度や入院助産制度にも対応している。分娩数は年間1230件程度であり,都内の出産施設の中核を担っている。
2023年(令和5年)に性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(LGBT理解増進法)が施行された。施行により,国や自治体の役割が明確になり,企業等において様々な取り組みがされるようになった。東京都は「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」の一部を改正し,2022年11月に東京都パートナーシップ宣誓制度の運用を開始した。これまで当院では,LGBTQ+の対応は現場にまかされていたが,2021年7月にトランスジェンダー女性患者の入院対応で苦慮したことからマニュアル作成にとりかかった。今回は,病院全体のSOGIに関する取り組みと,LGBTQ+妊産婦への助産ケアの事例を紹介する。
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