映画の時間
―核燃の大地に咲く花 ここに私たちのくらしがある.―六ヶ所村ラプソディー
桜山 豊夫
pp.388
発行日 2011年5月15日
Published Date 2011/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102122
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3月11日に起こった東日本大震災では大きな被害が出ました.被災された方々には心よりお見舞い申し上げます.地震発生時点ではこれほどの被害の広がりを想像できませんでした.なかでも福島第一原子力発電所の被害は深刻で,近隣地域の退避指示などが出され,環境中,飲料水,農作物などからも放射性物質が検出されています.先月号では,祝島での原子力発電所計画をめぐる映画『ミツバチの羽音と地球の回転』をご紹介しましたが,今月は,同じく鎌仲ひとみ監督によるドキュメンタリー映画『六ヶ所村ラプソディー』をご紹介します.
題名にある六ヶ所村には使用済み核燃料再処理施設が建設され,現在試運転中ですが,本作品が製作された2006年当時はまだ本格稼動はしていませんでした.カメラは,稼動に反対する,あるいは不安を持つ施設周辺の住民を追う一方,施設で働く職員や施設に経営を依存する協力業者の姿を収めます.
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