特集 切れ目ない支援を実現する 産前・産後の訪問看護
[事例で知る 産前・産後の訪問看護でできること]
④へき地でも実現できる医療的ケア児の暮らしを支える地域づくり
松山 なつむ
1,2
1特定非営利活動法人かしわのもり
2訪問看護ステーションかしわのもり
pp.402-407
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202039
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
「訪問看護ステーションかしわのもり」のある鹿追町は,北海道十勝平野の北西部にある自然豊かなまちです。人口5266人,高齢化率30.9%,出生数25人であり(2020年時点),畑作や酪農など農業を営む方が多く,近隣の帯広市や音更町が生活圏になっています。
当ステーションは2003年に開設し,現在では十勝管内の1市4町2村を訪問しています。居宅への訪問看護に加えて,訪問看護師が保育園や小学校に出向き,経管栄養や血糖測定などの医療的ケアの支援を行っています。また,未就学〜小学3年生を対象とした体験型プログラム(こども部)と障害のある子もない子も含めて子育て中のお母さんたちのプログラム(ここからカフェ)を実施する「ここから実験室」などの活動を行っています。現在,地域福祉拠点を新しく作る「レンガの家プロジェクト*1」も進行中です。医療資源が十分とは言えない地域ですが,病や障害などの暮らしにくさがあっても,その人らしい暮らしを支えられるさまざまな「道具」を提供することを目指しています[表]。
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.