特集 切れ目ない支援を実現する 産前・産後の訪問看護
[事例で知る 産前・産後の訪問看護でできること]
③特別養子縁組をした養親への支援
木村 美季
1,2
,
中野 歩美
1,2
1株式会社おとなり
2訪問看護ステーションおとなり母子保健事業部
pp.394-400
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202038
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開業時から産前・産後の訪問事業をすると決めていた
訪問看護ステーションおとなり(以下,当ステーション)は,2020年4月に看護師である夫と助産師の私(木村),ほか数名が京都市に開設しました。
開業時から成人だけでなく,助産師が周産期に関わる訪問看護を行うことを想定し,「母子保健事業部」を立ち上げていました。というのも開設者である夫は,私が第一子を出産後,うつ傾向になっていく様子を見て,生後8カ月の時点で育児休業を取得することを決意し,その後半年間,育児に専念していました。私がその間,先に職場復帰をしたため彼自身が1人で育児をし,育児がいかに孤独なものか,不安なものかを実感していました。そして自身が訪問看護ステーションを開設する時に「訪問看護が高齢者や難病の方,疾患のある小児だけではなく,産前・産後のお母さんたちのためにあってもおかしくない」との思いを抱き,採算が取れなくても母子保健事業をしていきたい,そしてそれを全国に広げたいと考え,形にしました。保険者(健康保険事業の運営主体)に確認し,制度上何ら問題なく産前・産後のお母さん方に訪問看護ができると知ったときは,夫婦2人で安堵しました。
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