特別寄稿
「地域医療」—とくにへき地医療の現状を問う
三木 知博
1
,
山村 典子
2
,
星 恵子
1
,
新田 則之
3,4
1聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター社会医療部門
2明治学院大学大学院社会学研究科社会福祉学専攻博士前期課程
3島根県環境保健部公衆衛生課
4元 益田保健所
pp.436-442
発行日 1993年5月1日
Published Date 1993/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900364
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筆者の一人,三木は,常勤の4年を含め10年近く地域医療にかかわってきた(島根県鹿足郡日原町厚生連日原共存病院)(表1).その後,大学へ転出したが,現在も地域医療,特にへき地医療は様々な意味において十分ではないことを痛感している.そこで自身の経験を通じて「地域医療」の現状について考え,いくつかの提案を行いたい.
ここでの「地域医療」とは,岩崎氏のいう「きめ細かく文化的にも風土的にも共通した基盤を有する小さな社会」1)の医療ととらえ,その中でも特に「いわゆる交通条件をはじめとする自然的,文化的,経済的など諸条件に恵まれていない地域」1)であるへき地医療について考えていきたい.
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