特集 切れ目ない支援を実現する 産前・産後の訪問看護
[事例で知る 産前・産後の訪問看護でできること]
②てんかん発作のある双子を持ち,うつ状態だった母親の支援
坂下 聡美
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1日本財団在宅看護センター一般社団法人在宅看護センター北九州
pp.390-393
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202037
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訪問看護・リハビリステーション在宅看護センター北九州(以下,当ステーション)は,福岡県北九州市にあります。北九州市は,人口約94万人の政令指定都市で,高齢化率31%,出生率7.0%,出生数6614人(2019年時点)となっており,近年では,晩婚化・晩産化が進行しています。また,核家族世帯割合は56.1%であり,そのうち母子家庭が1万4708世帯(3.44%)です。他地域と同様,産後うつなど周産期メンタルヘルスケアの課題が指摘されており,地域で取り組みが少しずつ動いてきています。しかし母親の心身の状態が本人・家族にも医療者にも行政にも認識されていない場合などは,早期発見が難しいのが現状です。出産後,保健師や助産師,訪問看護師が訪問するなど在宅で見守る支援が検討されることもありません。児の健康状態が悪化したのちに,母親が産後うつと診断されるケースも多くなってきています。
当ステーションは,地域に密着した訪問看護ステーションとして,2018年6月に若松区ひびきの学術研究都市に開設しました。現在従業員22名(看護師13名,理学療法士3名,作業療法士3名,事務3名)で,若松区,八幡西区,小倉北区,水巻町,芦屋町,中間市などのエリアの見守りをしています。現在は月の訪問件数が1000件を超え,支援する疾患の種類も多くなり,年齢層も0〜100歳超にわたっています。母子はまだ少ないですが,徐々に増加する傾向にあります。[表]。
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