Japanese
English
研究と報告
てんかん患者にみられる挿間性うつ状態—類似の発作症状と抑うつ状態を呈した母子例を中心に
Cases of the Mother and Child passed through the Same Febrile Convulsion, Temporal Lobe Epilepsy and Depressive State
竹下 久由
1
,
川原 隆造
1
,
織田 尚生
1
,
田中 隆彦
1
,
挾間 秀文
1
Hisayoshi Takeshita
1
,
Ryuzo Kawahara
1
,
Takao Oda
1
,
Takahiko Tanaka
1
,
Hidebumi Hazama
1
1鳥取大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Tottori University School of Medicine
キーワード:
Epilepsy
,
Interictal depression
,
Temporal lobe seizure
Keyword:
Epilepsy
,
Interictal depression
,
Temporal lobe seizure
pp.761-768
発行日 1988年7月15日
Published Date 1988/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204549
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抄録 類似の発作症状と抑うつ状態を経過した母子例を報告し,臨床症状並びに経過の特徴と類似性から,てんかん患者の呈する抑うつ状態について考察した。母親(41歳)は2歳の発熱時に全般性けいれん発作が2度生じたが自然治癒。9〜25歳の間に数分間持続する離人症状を主体とする側頭葉発作が年に1〜2回の頻度で出現。自然治癒した後30歳頃から年に1〜2回,抑うつ気分に妄想様観念を伴う抑うつ状態が生ずるようになった。40歳時治療開始し,carbamazepineにより症状軽快す。子供(16歳,男)は1歳2カ月から6歳の間に数回の発熱時全般性けいれん発作を生じたが自然治癒。12歳時から母親と同様の側頭葉発作が出現し,初期には1〜2カ月に1回の頻度であったが,次第に頻発し,二次性全般化を伴うようになった。16歳時治療開始しclonazepamにより発作は消失した。その後一過性に母親と類似の抑うつ状態が約3週間持続したが軽快し,発作症状も消失し現在に至る。
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