Japanese
English
短報
抗てんかん剤の長期服用中に発症したSLEについて
A Case of Systemic Lupus Erythematosus Occurring during Long Term Administration of Antiepileptics
市川 忠彦
1
,
須田 一
2
Tadahiko Ichikawa
1
,
Hajime Suda
2
1筑波大学臨床医学系精神医学
2茨城県立中央病院内科
1Department of Psychiatry, Institute of Clinical Medicine, The University of Tsukuba
2Department of Internal Medicine, Ibaraki Central Hospital
pp.1227-1230
発行日 1982年11月15日
Published Date 1982/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203499
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I.はじめに
ある種の薬剤を長期間服用していると,臨床的にも,血清学的にも自然発症の全身性エリテマトーデス(SLE)ときわめて類似した病態を呈してくることがある。これらは,通常,drug-induced lupus3)と言われ,hydralazine,procainamideなどが代表的な誘発薬剤とされているが,diphenylhydantoinも関係の深い薬剤としてよく知られている。
このdrug-induced lupusが臨床的に重要な位置を与えられているのは,現在なお原因不明とされているSLEの発症機序を解明していくうえに,ひとつのモデルと考えられるからである。
著者らは,最近diphenylhydantoinを含む抗てんかん剤の長期服用中に発症したSLEの1例を経験したので,drug-induced lupusとの関連を中心に,若干の考察を加えて報告したい。
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