特集 ガイドラインの改訂内容を解説! ポジティブな出産体験のための推奨項目56
—コラム—WHO59カ条の翻訳出版時とその後
日隈 ふみ子
1
1出産ケア政策会議
pp.433
発行日 2021年6月25日
Published Date 2021/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201812
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1997年に『WHOの59カ条 お産のケア実践ガイド』(農山漁村文化協会)が翻訳出版された時,助産師にとっては周産期の現場で行われていた通常の実践を見直すきっかけになると,歓迎の念を抱いた方は多かったことと思います。その前年から開始されたブラジルにおけるJICA「光のプロジェクト」の活動は,日本の開業助産師による支援をベースに「人間的な出産」を目指して,ブラジルの出産環境に大きな成果をもたらし,日本だけでなく世界中で高く評価されました。2000年「健やか親子21」には「出産の安全性と快適性」の文言が入り,安全だけでなく快適性にも注目することの認識が広がりました。これらと前後して,欧米の助産師や社会学者らによるアクティブバースやフリースタイル分娩などの妊娠・出産に関する翻訳出版が相次いだこともあって,出産当事者と開業助産師・施設助産師がそれぞれに影響し合い,出産環境が改善していくことを実感したものです。
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