リレーエッセイ がん看護CNS回想記 ~私の歩んできた道とその中での成長につながった体験~ 【5】
第5回 取得21~25年
OCNSとして歩んできた道と成長につながった経験
千﨑 美登子
1
Mitoko SENZAKI
1
1北里大学病院看護部(放射線部)/がん看護専門看護師
pp.662-663
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_662
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自己紹介
2001年に認定を受け,がん看護専門看護師(OCNS)活動22年目に入ろうとしています.なぜ,OCNSを目指したのか,改めて振り返ってみると「がん看護へのチャレンジ」だったように思います.1980年代初頭,大学病院の消化器外科病棟で勤務していた私は,患者とかかわるのが好きで,人生の先輩として学び,癒やされてもいました.その一方で,がんの痛みを訴える患者のナースコールを受けるのがとても苦痛でした.当時の鎮痛薬はブロンプトンカクテルと非麻薬性鎮痛薬が主流で,十分な除痛が図れなかったからです.
3年半で臨床を離れ,看護専門学校の教員として5年ほど従事しました.教える側に立ったとき,看護師としての未熟さを痛感し,もう一度臨床に戻り,がん患者・家族への緩和ケアに携わろうと決心しました.ちょうどモルヒネ徐放錠が日本で初めて発売された頃です.そして,がん看護学担当教員による学部研究者チームとのミューチュアル・アクションリサーチを経て,末期がん患者の配偶者へのケアプログラムを病棟へ導入しながら,師長の立場でOCNSを目指しました1).この時,「がん看護の質向上には,患者・家族と看護師間でパートナーシップに基づく関係性を築き,患者・家族にとって豊かな環境としての看護師となる重要性」を学びました2).
認定を受けた翌年,消化器内科病棟へ異動し,その後も全科対応の個室病棟,呼吸器センター,放射線部の師長の立場で,患者・家族ケア,看護師教育を行い,現在も多職種協働で質の高いがん医療・看護の提供を目指しています.
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