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『産み育てと助産の歴史 近代化の200年をふり返る』
三宅 はつえ
1
1もものみ助産院
pp.747
発行日 2016年9月25日
Published Date 2016/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200591
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深く広く生と死の傍らにいた先輩助産師の息遣いが聞こえる
テレビドラマの出産シーン監修を請け負うようになって14年になり,かかわった作品も30を超えた。「平安時代のお産なんですが,何があったらそれらしいですかね」とか「昭和30年代と10年前と現在と,それぞれの時代のお産を象徴するようなセリフがほしいんですが,どんな言葉がいいですか」などという要求に応えるため,お産の歴史に関する本を何冊も読み込んできた。それらの本と比べても,本書に対しては「圧巻」という文字が浮かんでくる。なにしろ「近代化の200年」である。取り上げ婆から産婆,助産婦,助産師と,名称も職域もダイナミックに変化した激動の時代を,14名の多彩な執筆者が解説している。その面々とは歴史学研究者,社会学研究者,助産学研究者,ジャーナリストなど,学問的な背景も一様ではない。さまざまな角度から見つめられたにっぽんのお産が,そこにある。
若い世代には,日本とアメリカが戦争をしていた事実にピンとこない人がいるという。日本史が選択科目で履修しなかったり,時間切れで近現代史はかけ足だったりすることが要因ではないだろうか。
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