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思いつくまま(38) 産みの悩み
荒川 忠良
1,2
1徳島大学
2皮膚科学
pp.926
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203816
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結婚式の祝辞と云ばどうも紋切り型のものが多い。今後は2人3脚で行く覚悟が大切であるとか,夫唱婦随(婦唱夫随?)でなければならんとかいう類いである。しかし考えて見ると,歩くならともかくとして,なんといつても1人でどんどん走つた方が速いことは当然であるし,疲れも少ない。
皮膚科と泌尿器科の関係もこのように思える。わたくしが徳島大学へ着任して15年を経過したが,この間"2足のわらじ"をはいてソロリソロリと歩いて来た。これは全く歩きにくいものである。しかしやつと15年目に身2つになって皮膚科と泌尿器科が誕生した。お釈迦さまは3年間母胎の中におられたそうだから,その5倍である。思えば全く永い産みの悩みであつた。
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