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『出生と死をめぐる生命倫理—連続と不連続の思想』
船戸 正久
1
1大阪発達総合療育センター
pp.228
発行日 2016年3月25日
Published Date 2016/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200444
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著者は,北里大学,東京女子医科大学で周産期医療センターの責任者として長年,深く新生児医療にかかわり,日本周産期・新生児医学会,日本新生児成育医学会などの学会を積極的に先導した先輩医師のお1人である。新生児の生と死にかかわる現場から,こうした生命倫理の問題にも先駆的に取り組まれ,学術的にも大きな貢献をしてくださった。
著者のもっとも大きな貢献は,イェール大学のダフ博士の分類を基にした「新生児医療における倫理的観点からの意思決定」,いわゆる「仁志田の基準」(クラスA〜D)を学術的な観点から学会の場で紹介してくださったことである。この発表は聴衆に大きなインパクトを与え,その1人であった私にも大きな影響を与えた。最初の頃は学会でも,新生児の倫理や死の問題はタブー視され,その発表に対して,私を含め誰も手を挙げて質疑する人がいなかったことを非常に印象深く覚えている。
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