特集 科学的根拠からみなおす助産技術
【妊婦健診の手技】
2.妊娠中の浮腫とその対応
進 純郎
1
1聖路加国際大学
pp.393-395
発行日 2014年5月25日
Published Date 2014/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102789
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妊娠中の浮腫
ほとんどの妊婦に多かれ少なかれ浮腫が出現します。以前は妊娠高血圧症候群(pregnancy induced hypertension:PIH)の徴候に「高血圧」「たんぱく尿」とともに「浮腫」が加えられていましたが,現在では浮腫は除外されています。妊娠中に浮腫が出現することはそれほど珍しくはなく,病的意義も少ないことが多いと判断されたためです。
浮腫は正常妊婦の35%に,高血圧合併妊婦では70%に,PIHでは90%に出現します。また,体重増加の多い妊婦では正常体重の妊婦より浮腫発生頻度が高くなります。浮腫を合併しないPIH(これをdry preeclampsiaといいます)は,浮腫のあるPIHより児の周産期死亡率が高くなることに留意する必要があります。また,浮腫のある妊婦から生まれた児は,浮腫のない妊婦から生まれた児より体重が重くなります1)。
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