今月の主題 浮腫と臨床
女性と浮腫
妊娠と浮腫
宮原 忍
1
1東大保健学科母子保健
pp.1273-1275
発行日 1977年9月10日
Published Date 1977/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207363
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妊娠浮腫と妊娠中毒症
妊娠時の浮腫は妊娠末期になって現れるのが普通であり,頻度はかなり多く,一部は高血圧,蛋白尿を伴う.したがって,単なる妊娠浮腫と妊娠中毒症の問には移行があり,浮腫のみの症例を妊娠中毒症として扱うべきか否かについては議論がある.しかし,純学問上にはともかく,母性保健管理上は妊娠中毒症のうちに含めて取り扱うことが望ましい.
浮腫の頻度については英国のThomson, Hyttenら(1967)は24,079人の妊婦のカルテから,高血圧を呈したものを除いて約40%は浮腫の徴候をもっていたという.そてしそのうち20%は下肢あるいはくるぶしに限局していたが,他は"全身性"であった.ただし,"全身性"には指輪がきつくなったという程度の軽微なものまで含んでいる.
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