連載 災害時の母子保健 妊産婦を守る助産師の役割・12
妊産婦を守るための平時からの備え
吉田 穂波
1
1国立保健医療科学院生涯健康研究部
pp.72-77
発行日 2014年1月25日
Published Date 2014/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102694
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発災後3日以内に起こった病院外分娩は,石巻医療圏で私たちが把握しているだけでも10件ありました。ご自身も被災し,避難所に避難していた保健師Aさん(27歳)が元看護師であったという情報をどこかから聞きつけてこられ,見ず知らずの人から「お産があるから」と呼ばれていったのは,震災2日目の深夜でした。
震災当日,夜11:30頃に近くの半壊住宅でお産があるという情報が入り,付近の避難所いくつかで助産師さんを探したが1人もいなかったため,唯一の医療専門職であるAさんがその家に向かったとのこと。半壊&床上浸水住宅で陣痛が起こり,自宅分娩を余儀なくされた経産婦さん。前回妊娠時に分娩後出血多量(輸血なし)というリスクがある40週2日の方でした。母子手帳を持参されていたので妊娠経過がわかりました。
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