追悼
―佐々木靜子さんを偲ぶ―女性のために闘った産婦人科医師
宮崎 雅子
pp.1062-1066
発行日 2013年12月25日
Published Date 2013/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102660
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2013年6月14日,産婦人科医師でまつしま病院の院長・理事長を務めた佐々木靜子さんが呼吸器不全で亡くなられた。73歳だった。
2010年4月に腰痛がひどくて動けなくなり検査を受けたところ,がんが見つかった。まわりの人たちに心配をかけまいと病院職員にも伏せて治療を受けていたという。
今年1月,脳への転移がわかり余命宣告を受けたが,今死ぬわけにはいかないとすぐに手術を受けた。心配した後遺症もなく一時はとても元気になり,もち直したかに見えたそうだ。後任への引き継ぎや,伝えたいことは山ほどあったに違いない。代表を務めていた性暴力救援センター(SARC)・東京の仕事を最後まで続け,産婦人科医師として女性のために力を尽くした。
「皆さんお先に。待ってます」。言い残した言葉からは佐々木靜子さんらしい潔さが伝わってくる。先生が取り組んでこられたこれまでの功績にあらためて敬意を表し,心から哀悼の意を捧げたい。
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