連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・108
お金をめぐって明らかになる医療観の違い
冨田 江里子
1
1バルナバクリニック(フィリピン)
pp.338-339
発行日 2013年4月25日
Published Date 2013/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102455
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ファロー四徴症で手術が必要だった9歳のレチェリン(2012年5月号参照)。皆様のご支援のおかげで,根治手術は1月に行なわれ,現在,内服で治療が続けられている。現状は回復しているのだが,彼女の手術を通じてフィリピン医療に改めて戸惑いを感じている。
まず驚いたのは,とにかく料金がはっきりしないことだった。この国には,貧困者の救済のためにチャリティーで手術する制度がある。しかしお金がないとその後のICUでの費用が支払えず,チャリティー手術の患児の多くが術後亡くなると医師が耳打ちしてきた。
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