Japanese
English
症例
成因を明らかにし得なかつたCardiomegaly
Obscure Cardiomegaly
三浦 慶造
1
,
青木 幹
1
,
佐藤 滑
1
,
菅原 香苗
2
Keizo Miura
1
,
Kan Aoki
1
,
Sakari Sato
1
,
Kanae Sugawara
2
1東北大学桂外科教室
2東北大学中村内科教室
1Department of Surgery, Tohoku University, Faculty of Medicine
pp.1045-1050
発行日 1958年12月15日
Published Date 1958/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200708
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(1)収縮性心嚢炎の臨休診断で死亡した26才,9,を剖検した所,心は高度に拡張性肥大を呈するのみで,其の成因を全く解明出来ない1例を経験したので報告した。 (2)外国に於いては本例の如きをidioPathic Cardio megaiyと呼称し,諺血性心不全症の1つとして其の臨‘淋的存在が認められる傾向にある事を紹介し,本例も本症と診断するのが至当である理由を述べた。 (3)本例の場合と同様に,本症は収縮性心嚢炎と非常に誤診されるので,手術的治療を加えようとする時は両者の鑑別診断に特に注意を払うべきである。 (4)本症は人種的,家族的発生が認められており,本例にも其の傾向が見られるので,本症の遺伝性は注目さるべきである。 (5)著者の渉猟した範囲では,本邦に於いては本症の記載は見当らない。故に不定型な病像を呈する欝血性心不全症をなお一層精検して本症の存在に留意すべきである。 (捌筆に当り御指導,御校閲を賜わつた本学病理学教室諏訪教授,中村内科教室木村助教授に深甚の謝意を表する。又本患者の家系調査に協力を措しまれなかつた患者の義兄松浦久氏の労に感謝する)
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