レポート
東京都周産期搬送コーディネーターの活動―始動から2年の報告
中野 美穂
1
1東京都福祉保健局医療政策部救急災害医療課
pp.518-523
発行日 2012年6月25日
Published Date 2012/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102208
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はじめに
2008(平成20)年,東京都内で発生した母体搬送困難事例は,東京都における周産期救急医療の危機として社会の大きな関心を集めた。この状況を受けて,都は東京都周産期医療協議会等において議論を重ね,2009(平成21)年3月に,脳卒中や出血性ショックなど重篤な疾患により母体救命を必要とする妊産褥婦を必ず受け入れる「スーパー総合周産期センター」を設置することとした。いわゆる「スーパー母体救命搬送システム」の誕生である。
さらに,この「スーパー母体救命」以外の周産期搬送を調整するシステムの必要性が議論され,2009年8月31日,東京都周産期搬送コーディネーター(以下,周産期搬送コーディネーター)が設置された。
現在,妊産褥婦,新生児の119番通報および転院搬送において,搬送先が決まらない場合には,都内周産期母子医療センター等35施設を対象に,搬送先の選定を実施している。以下,周産期搬送コーディネーターの活動について報告する。
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