特集 救護システムと救急医療
大都市における救護システム—東京都における救急搬送システム
清水 齊治
1
Seiji SHIMIZU
1
1東京消防庁救急部
pp.291-295
発行日 1983年5月15日
Published Date 1983/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206692
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■はじめに
東京都のほぼ全域をカバーする東京消防庁の救急業務は,昭和11年に6台の救急車で開始され,当初は,火災・交通事故等の災害対応的な色彩の強い業務として行われてきたが,昭和38年,消防法により業務の法体系が確立され,さらに,昭和48年,救急業務に関する東京都条例が制定されて,屋内における緊急性のある傷病についても業務とすることが明確化されるとともに,昭和39年には救急病院等を定める厚生省令が制定され,知事が告示する,救急告示医療機関制度がとられ,現在東京都における救急病院,救急診療所は502施設に整備された.
また近年,救急事象は,都市構造の変ぼう,生活環境の変化等に伴い,傷病の形態も複雑,多様化の傾向を示し,急性期の循環器系疾患等を主体とした急病救急の比率がたかまっており,救急隊員による現場および搬送中における救命のための必要な処置が要求され,二次的なプレホスピタル・ケアを担当することから,専門的な知識,技術を有する資質の高い隊員の養成が必要条件となり,昭和53年に政令により救急隊員の資格が定められている.
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