今月の臨床 周産期医療の崩壊を防ごう
周産期医療の集約化,地域のネットワークづくり
3.東京都における周産期医療ネットワーク
多田 裕
1,2
1実践女子大学生活科学部食生活科学科
2東京都周産期医療協議会
pp.244-247
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101136
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
周産期医療の崩壊の危機が社会の注目を集めているが,同様の懸念は今から十数年前にもNICUの病床不足として問題になった.当時もNICU病床数が不足していることを周産期医療関係者はその数年前から懸念し1, 2),厚生省の研究班で検討し対応策を提言していたが行政的には採用されなかった.しかし,NICUの病床不足により病児が入院できない事態が新聞やテレビでしばしば報道されるようになり,国は平成8年に地域周産期母子医療対策事業を開始し全国的な対応がはかられるようになった3).この事業では,NICUと後方病床(ここでは併せて広義にNICUと呼ぶ)と母体搬送を受け入れる母体胎児集中治療室を備えた地域の中心となる総合周産期母子医療センター(以下,総合センターと略す)とこれを補う地域周産期母子医療センター(以下,地域センターと略す)を整備することになっている4).
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.