特集 母体救急医療・母体救命の進歩
総論
母体救命救急搬送システムの現状と問題点 東京都
兵藤 博信
1
HYODO Hironobu
1
1東京都立墨東病院産婦人科
pp.213-217
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000049
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東京都の母体救命搬送
東京都の周産期の救急医療は,一般の母体搬送・新生児搬送のほかに,「母体救命搬送(スーパー母体搬送)」,「胎児救急搬送」が分類されている(図1)1)。一般の母体搬送・新生児搬送についてはその地区の総合周産期センターが調整を行い,地区内での調整が困難な場合には東京消防庁内に周産期搬送コーディネーターが常駐して調整をサポートする。母体救命搬送(スーパー母体搬送)については,2009年3月より「東京都母体救命搬送システム」が運用されている。一般の母体搬送とは区別され,三次救急として扱われるようになっている。医療は9つの地区に分けられ,周産期医療は14の総合周産期センターと14の地域周産期センターを中心に行われている。東京都内には三次救急を担う救命救急センターが26ある。周産期センター(総合周産期センター・地域総合周産期センター・周産期連携病院)は40あり,その双方が備わった21の「母体救命対応が可能な周産期センター」が,母体救命医療を担っている(2022年1月現在:図2)2,3)。
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