海外レポート
オランダのマタニティケアの現状―ハーグ市ブロノボ病院の助産プラクティスでの経験を通して
奥山 絢子
1
1東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻
pp.996-1002
発行日 2009年11月25日
Published Date 2009/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101546
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はじめに
オランダの正式名称はネーデルラント王国,人口は約1600万人,国土面積は約4.2万平方kmで日本の九州とほぼ同じ大きさの国である1)。人口のうち約1300万人がいわゆるゲルマン系のオランダ人で,残りの約300万人は移民と在蘭外国籍の人で構成される1)。
オランダの医療制度は,ホームドクター(Huisarts),助産師,地区保健師らによる第1次ケア(プライマリーケア),病院での専門医による第2次ケア(セカンダリーケア),そして大学病院などでの高度医療を行なう第3次ケアに大きく役割が分けられている。
本稿では,オランダの医療制度のうち特にマタニティケアに焦点をあて,システムおよび助産師による妊婦健診・分娩介助の現状についてハーグ市ブロノボ病院(Ziekenhouis Bronovo)の事例を通して紹介する。さらに,安全な出産を行なうための助産師と産科医ら他職種間との協働の在り方について簡単に考察する。
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