レポート
カナダ・オンタリオ州の助産師制度―カナダ人助産師から見た日本との比較
ケイトリン・キーラン
1
,
朝比奈 順子
2
Caitlin Keelan
1
1ライヤソン大学(カナダ)
2朝比奈助産院
pp.990-993
発行日 2009年11月25日
Published Date 2009/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101545
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はじめに
私は日本に在住していた6年前,滋賀県で,開業助産師の朝比奈順子先生の介助で自宅出産を経験しました。その感動的な体験をきっかけに,助産師になりたいと思いました。そして出産して3年後,まだ日本にいるときに,カナダの助産師大学を受験することになりました。論文試験に合格したのち,カナダからの長距離電話で2時間以上のインタビュー試験を受け,その数か月後に合格通知をもらいましたが,合格したときは本当にうれしかったです。こうしてカナダのトロントにあるライヤソン大学(Ryerson University)の助産師科に入学し,今年9月から3年生になります。
今回私は,5月20日~6月17日の1か月間,大学の選択実習として,日本とカナダの助産師の比較をするために日本に滞在することになりました。短い期間でしたが,実習先の朝比奈助産院で,自宅出産1例と助産院での出産1例を見学し,妊婦健康診査や産後の自宅訪問などの実習を行なうことができました。また,他の助産院の見学や,吉村医院での研修,NPO法人お産サポートJAPANの会議にも出席しました。
本稿では,カナダの助産師制度について,私が日本に来てさまざまな見学や実習を行なうなかで感じたことを含めて述べたいと思います。なお,カナダは法律が州によって違うため,ここでは私の在住しているオンタリオ州の制度について紹介します。
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